東洋医学には、天・地・人という考え方があります。
天は、季節や気候など自然の働き。
地は、食べ物や住む場所など、身体を育てる環境。
人は、人間関係や感情、心の働きです。
天地人の軸は60年ごとに移り変わり、現代は「人」の影響が強く現れる、心の時代に入ったと考えます。
生活は便利になり、人と直接会わなくても、さまざまな情報を受け取れるようになりました。
その一方で、人間関係、仕事、将来への不安、人の言葉や感情など、心が受け取るものは増え続けています。
厚生労働省の資料では、精神疾患のある外来患者数は、2017年に約389万1千人、2023年には約576万4千人と推計されています。
ただし、2020年から推計方法が変更されているため、数字をそのまま比較することはできません。それでも、心の不調が一部の人だけの問題ではないことが分かります。
多くの人や情報に触れる現代では、心を消耗させないための養生が必要です。
心にも、取り入れる栄養がある
食べたものが身体をつくるように、日頃から見聞きしているものが心をつくります。
何を聞き、何を見て、何に触れるのか。
外から受け取った情報は心の中に残り、喜び、安心、不安、怒り、悲しみなどの感情へと変わります。
穏やかな言葉に触れれば、心が落ち着く。
誰かの怒りや不満を聞き続ければ、自分の心まで重くなる。
心に取り入れる情報も、心を育てる大切な栄養です。
必要以上に受け取らない
必要以上に受け取らないことも、自分の心を守る養生の一つです。
愚痴や妬み、人を傷つける言葉が飛び交う環境に身を置き、それらを見聞きし続ければ、心が疲れるのは当然です。
特に現代は、SNSを開くだけで、他人の感情や強い言葉、刺激的な映像が次々と目に入ります。
自分から求めていなくても、情報が勝手に飛び込んでくる時代です。
すべてを受け止める必要はありません。
見ない。
聞かない。
その場を離れる。
SNSを閉じる。
心を消耗させる人や環境から距離を置くことも、自分の心を守るために必要なことです。
感受性が豊かなことは、悪いことではない
感受性が豊かな方は、人の言葉や表情だけでなく、音、光、香り、場所の空気、人の感情など、さまざまなものを受け取る力が強い方です。
周囲の変化に気づき、人の気持ちを深く受け取れることは、その人が持つ大切な力です。
しかし、受け取る力が強いからこそ、多くの人や情報に触れ続けると、心が疲れやすくなることもあります。
感受性を鈍らせる必要はありません。
大切なのは、すべてを自分の中へ入れないことです。
必要なものを受け取り、自分を消耗させるものからは距離を置く。
それは逃げることではなく、感受性を守りながら生きていくための選択です。
心の不調は身体から治す
東洋医学には「心身一如」という考え方があります。
心と身体は別々に存在するものではなく、一つにつながっています。
身体に余力があるときは、人の言葉や出来事を受け流すことができます。
反対に身体が消耗しているときは、いつもなら気にならない言葉にも傷つき、周囲の感情まで抱え込みやすくなります。
そのため2Faceでは、心の不調を心だけの問題として考えません。
何を受け取り過ぎているのか。
どのような環境に身を置いているのか。
そして、それらを受け止めている身体に余力があるのか。
心と身体の両方から、その方の状態を見ていきます。
心を守ることも養生の一つ
強く生きることは、すべてを我慢し、どのような言葉や感情も受け止め続けることではありません。
自分に必要なものを選び、必要のないものから距離を置く。
心を消耗させる場所に、無理に居続けない。
心の養生とは、感情を抑え込むことではなく、自分の心に何を入れるのかを選ぶことです。
そして、何を取り入れないのかを決めることです。
多くの人や情報とつながる心の時代だからこそ、自分の心を守りながら生きていくことが大切です。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
参考資料
厚生労働省
「精神疾患を有する総患者数の推移」
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