毎年決まって悩まされる代表的な春の症状に花粉症などのアレルギーやアトピー症状があります。
これらの症状は何故春に出現し、何故症状が強く出るのか。その理由を東洋医学視点から考えていきましょう。
春はデトックス
いつも患者さんにはお伝えしていますが、春はデトックスの季節です。
自然界の植物が芽を出し、虫は土から姿を現し、動物は冬眠から目覚めるように、人間も自然界の一部であることから、自然界に合わせて冬に溜め込んだものが、一気に体の外へと吹き出る季節になります。
今までの陰のエネルギーから陽のエネルギーへ、内から外へ。あらゆる全てのものが今までとは逆転したエネルギーへと向かう事で、私達の体はもちろん、心の様子も移り変わりが激しくなります。
そのようにして、春のデトックスという季節を境に、体のトラブル、揺らぐ心の変化、様々なものが自分自身から湧き出ることで、振り回されることもしばしばです。
またその方が元々持っている不調などが出やすいのも、この春という季節になります。
春のデトックスと肝臓の関係
東洋医学では春夏秋冬、各季節に対応する臓器が決まっています。
春を代表する臓器は肝臓。
春は、肝臓の働きが最も旺盛になる季節です。
そして、肝臓の働きは解毒になります。
日頃から肝臓に負担がかなるような食事をされている方は、春のデトックス作用も相まって、より春に出現する症状が激しいものとなります。
アレルギーやアトピーは体の汚れのサイン
結論から言ってしまうと、タイトルにも記述しているように、アレルギーやアトピーは体の中の汚れのサインです。
体がこたえるような不自然なものを食べ続けると、解毒が仕事の肝臓の働きが悪くなり、やがて解毒が追いつかなくなります。
そうすると、体に汚れが蓄積し、蓄積した汚れを体は抑え切れず、外にまで溢れ出てきてしまったのがアレルギーやアトピーの正体です。
症状はただの結果(東洋医学的見方)
症状というものは、元々その方の弱いところに出現します。
アレルギーやアトピーは、あくまでもその過程として現れた結果。
その方の弱い部分が症状として現れ、西洋医学的な名前に分類されただけだと東洋医学では見なします。
原因は同じく肝臓でありながらも、椎間板ヘルニア、緑内障、更年期症状、不眠、ヒステリー等が体トラブルとして現れる方もいらっしゃいます。(実際には書ききれない位、沢山あります。)
但し、結果的にどこに症状が強く出るのかは、その方の体質によりけりです。
余談ですが、生後間も無い赤ちゃんの乳児湿疹はお母さんが妊娠していた頃の食事が関係しています。これらもやはりお母さんの体の中の汚れ、肝臓の状態と繋がっています。
体の汚れを減らし、
アレルギーやアトピーを改善する方法
1,野菜を沢山食べて体を綺麗に。
野菜は体にとって自然な薬です。
食べれば食べる分だけ体の中を綺麗にし、体の健康度が上がります。
体にとって不自然なものを食べ続けると腸にうんちが溜まり、うんちの出が悪かったり、毎日出ていたとしてもお腹周りが固く宿便が残るようになります。
東洋医学的にはそれを便秘と捉え、体の中が汚れる原因となります。
野菜にはそんな腸にへばりついたうんちを外に出す働きがあります。
体の中は出来るだけ綺麗に。
それが健康の基本です。
2,甘味を取り除き、胃腸のはたらきを高める
東洋医学では酸苦甘辛塩、5つの味をバランス良く食べることが良いとされていますが、
現代は、よほど気を付けない限りは甘味過多の食生活を送ってしまう方がほとんどです。
実は加工食品などに含まれている添加物、発酵食品なども甘味に分類されます。
加えて、手軽に食べられるパンやお米、パスタなどの炭水化物も甘味です。
適度な甘味は体を緩め、胃腸の働きを高めますが、過度な甘味は胃腸を傷付け、胃腸の働きを悪くしてしまいます。
現代では圧倒的に甘味の食生活に偏り、胃腸に負担をかけてしまっているのが現実です。
また、良く体の声を聞きましょう。との言葉もありますが甘味には依存性があり、口にすると抜け出せず、より欲してしまうという性質を持っています。
嗜好品として楽しみながら口にするのはとても良い事ですが、日々甘味に頼る食生活を行っていると、体の声は甘味だけを求めるような食生活に陥ってしまう事になります。
また、アトピーは関節に症状が強く出ることが多いのですが、それは東洋医学では胃腸の不調は関節に現れるからです。
甘味を控え、胃腸の働きを高めることでアレルギーやアトピー症状を抑えることができます。
更にそれらは、1のうんちの出を良くする=ゴミ出し作業を促す。という事にも繋がります。
3,運動をする(東洋医学的運動とは)
歩く、走るなどの運動は、手足を動かします。
手足は東洋医学では胃腸と深く関係する場所です。
手足を動かすことは胃腸の働きを高めることに繋がります。
また、運動で汗をかくことにより、体の要らないものを強制的に外に出す働きもあります。
これらも結果的に体の汚れを減らすゴミ出し作業を促すものです。
コップの水を半分に減らす
花粉症やアトピーの症状を抱えている方は、例えをコップに入っている水で表現すると、コップの中の水が並々入っている状態です。
そのコップの中に新たに水を注ぐとすぐに溢れ出てきてしまいます。
しかし、水が入る余白をあらかじめ空けてあげると、新たな水を注いでも溢れ出てしまう事はありません。
目安はコップの中の水を半分にしてあげること。
余白が空いた分、多少体に悪いものを食べたとしても溢れ出ずに留めておくことが出来るようになります。
好きなものを不調を感じることなく楽しく食べられるようになると、より日常生活も楽しめるようになると思います。
鍼灸治療で行っていること
鍼灸治療は体の内臓の働きを高め、その方の体が本領発揮出来るようお手伝いをするものです。
花粉症やアトピーを完治する為に重要となってくるのが肝臓や胃腸の働きです。
鍼灸治療ではその肝臓や胃腸の働きを高め、ゴミ出し作業を促し、より早く完治が出来るようお手伝いしています。
砂埃であれば、ささっと拭き取り綺麗になりますが、長年放置した油汚れは綺麗になるまでに時間がかかります。
鍼灸はそのような長年蓄積した汚れを剥がし、綺麗にしてゆく。そのようなイメージです。
また、施術は鍼灸師が行うものになりますが、
お家に帰ってから行う施術はご自身で行うものになります。
将来を見据え、現在の症状を治すだけではなく、治る過程でのご自身の心地良い心や体の状態というものを知って頂きたい。
そして、そんな習慣作りを鍼灸に触れるきっかけと合わせて、是非生活にも取り入れて頂きたい。
そのような思いを込めその方の今の体に必要な食材や過ごし方の方法などにも力を入れ、施術と共にお伝えしております。
花粉症やアトピー症状は治る
前述しましたが花粉症やアトピーは、体に抑え切れずに外に溢れ出てしまったものです。
逆の見方をすると、悪いものを出したいという自然な体の反応です。
それらの自然な反応をいけないものだと受け止め、薬で抑えこんでしまうのではなく、食事や運動などで体の中を綺麗にし体のゴミを捨てるようにすれば、花粉症やアトピーは改善することが出来ます。
良くなる事と治す事は、どちらも症状が消えて見えるようで中身は全く違うもの。
根本から直し切る。
そのことが、花粉症やアトピーの悩みを捨て去る解決法となります。
自分自身で治す体の力。
それは本来誰にでも備わっています。
最後に
アレルギーやアトピーに限らず、コップの中から溢れ出てしまった水は、全て私達の心や体を大きく揺さぶり痛みつけるものとなります。
ゆらゆらと揺れ動いても良い、
多少の痛みがあっても良い、
季節が変わり、草木の様子が変化するように、
人間の心身にも季節に伴い変化があります。
それが自然の中で生きているということです。
自分自身の中のコップの水。
なるべく半分にして、揺れ動く変化に時に悲しみながらも楽しむ。
そんな余白がある心や体を健康を通し、手に入れてゆきましょう。
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