鼻が詰まってはいけない理由。鼻炎・蓄膿症・副鼻腔炎

こんにちは。
近年は子供から大人まで鼻が詰まっているといった方が多く見られます。
「鼻詰まり。」というと、「昔からこうだから。」とか、「アレルギー持ちだから。」などと、特に深刻に受け止めていない方もおられると思います。

しかし私達が健やかな体作りを目指すにあたり、“鼻が通ること”は大前提であって、避けては通れない道です。また、それは自分自身の体や命を守る事にも繋がります。

本日は、そんな鼻を詰まらせてはいけない根本的な理由と対策法を記事にまとめています。
1人でも多くの方の参考になりましたら幸いです。

五感は何の為にある?嗅覚と鼻の関係

私達の体には、五感といった視覚(見る)、聴覚(聴く)、嗅覚(嗅ぐ)、味覚(味わう)、触覚(触れる)の基本的な感覚器官が備わっています。

この五感は何の為にあるかと言うと、「自分の命を守る為です。」

「一見大袈裟だな〜。」なんて思われるかもしれないのですが、五感はかつて人間がサバンナで生活していた頃に敵から身を守ったり、自ら狩を行う為に欠かせないものでした。

五感が察知するもの

では、具体的に五感をどのように活用していたのでしょうか?

・視覚(見る)
視覚は、目から得られる情報です。
敵から身を守ったり、獲物を捕まえる為に情報や動向をキャッチしていました。

・聴覚(聴く)
聴覚は、耳から得られる情報です。
視覚と同様、敵や獲物を捕まえる為の情報や動向をキャッチしていました。

・味覚(味わう)
味覚は、舌から得られる情報です。
味覚によってその食材が体にとって安全かどうかをキャッチしていました。

・触覚(触れる)
触覚は、肌に通じる皮膚感覚によって得られる情報です。
肌を通し熱い、冷たい・痛いなどの情報をキャッチしていました。

最後に本日のテーマにもなっている嗅覚は、味覚と同様その食材が体にとって安全かどうかの危険をキャッチする為に使っていました。

犬などの動物を飼われている方はイメージしやすいと思いますが、犬は何か食べ物を出された時、必ずその食べ物の匂いを嗅ぎ、安全かどうかを確認してから口にします。

嗅覚に少しでも異常を感じたなら食べることは避け、万が一食べてしまった場合であっても、味覚によって危険。と判断すればそれらを吐き出します。

このように五感は自らの体に起こる危険を察知し、自分自身の命を守る為のシステムとして現在まで備わっています。

とは言っても、「別に今はサバンナにいる訳でもないし、外敵に襲われるリスクもないし、五感なんて必要ないじゃん。」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。

確かに今はサバンナで生活している訳でもないですし、現代は安心・安全の中で守られているので五感は一見必要のないように思えます。

しかし、この本来体や命を守る為に発達した五感が失われてゆく事は、私達の健康面にも大きく影響を及ぼしてしまいます。

鼻が詰まると食べ物の良し悪しが分からなくなる

前述したように、嗅覚は体や命を守る為に、その食品が安全かどうかを口に入れる前に判断する為の感覚器官です。

しかし、その嗅覚が鼻詰まりによって判断出来ないとなると、その食品が体にとって安全か・安全じゃないのか。を確認することが出来なくなってしまいます。

そこで「嗅覚がダメなら味覚で判断出来れば良いのでは??」と思われるかもしれませんが、
残念ながら嗅覚が鈍くなると伝染するように味覚も鈍くなる場合がほとんどです。

かつてコロナが流行した際に、味覚障害を引き起こしてる患者さんの多くは鼻が詰まる。といった共通点がありました。

しかし鼻詰まりが解消されると共に味覚も正常に働くようになられる割合がとても多かったのを覚えています。

また、コロナまでいかなくとも風邪を引いて鼻が詰まった際には、「味がいつもより感じづらい・食べ物の味がしない。」といった経験をされた方もいらっしゃると思います。


それぐらい、嗅覚は味覚にも影響を与えています。

何れにしても、鼻詰まりによって「食べ物の良し悪しが分からない。」「安全かどうかを判断する事なく何でもかんでも口に入れてしまう。」というのは、サバンナではないこの現代であっても「体を守る・命を守る。」といったことからかけ離れてしまうことになります。

更に鼻詰まりによって味覚が鈍感になると、質の良い調味料や栄養バランスを考えて食事の品数を増やしてみても、料理を作る過程での塩や醤油、砂糖などの微調整が上手くいかないことで、結果的に1品1品の味付けが濃くなることで、全体のバランスが崩れるなど、健康にとって欠かせない料理の質にも大きく影響を与える場合があります。

嗅覚と味覚は特に大切にしたいところ。

視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚、全ての五感は体にとって大切な器官ではある事は間違いないのですが、その中でも食の判断基準の要となる嗅覚、 またそれに連なる味覚は、現代は特に大切にしてゆきたい感覚器官だと私自身感じております。

なぜなら、食べたもので体は作られる。といったフレーズからも良く分かるように、食は体の基本だからです。

質の良いもの(自然のもの)を食べれば体の調子は良くなり、質の悪いものを継続して食べていれば、体の調子悪は自ずと悪くなります。

しかし、それらは大前提として安全なのか危険なのかを判断できる嗅覚があってこそです。

無添加といった記載があれば、全ての食品が安心安全な気がする。といった方も少なくないと思いますが、実際は無添加と記載されていても、体の調子を悪くしてしまう食品は世の中には沢山あります。
反対に無添加などと記載されていなくても、体の調子を上げてくれる質の良い食品も沢山あります。


もしご自身の嗅覚によってそれらを判断する事が出来たのなら、決して外の情報だけに振り回されることなく、その食品が本当に安心安全なのかを自分自身の体をもって判断することが出来ます。 

あくまでも自分の体を基準として、自分自身を守ることが出来るのです。

体の土台、胃腸を整える事にも嗅覚は欠かせない

また、東洋医学での体の土台は胃腸です。
“慢性病は胃腸が整えば治る”とも言われているくらい大変重要な臓器です。
胃腸は体にとって質の良いものを食べれば食べる分だけ調子が良くなり、体の土台をしっかりと築き強い体を作ってくれます。

現代は生活スタイルの変化や食の影響も相まって胃腸に不調を抱えられている方がとても多いです。

特定の不調以前に、まずは徹底的に胃腸を治し体の土台から見直さなければならないことも多々あります。
もちろん、この胃腸を良くする為にもその食品が安全なのか危険なのかを判断する為の嗅覚は大切になります。

食、嗅覚、味覚、胃腸、これらは全て私達の健康にダイレクトに直結します。

現代は鼻炎の症状を患らわれている方は子供から大人まで2人に1人とも言われている時代だそうです。
続いて蓄膿症・副鼻腔炎の症状で悩まれている方も多くいらっしゃいます。

今後は更なる利便性の追求により、手軽な加工食品や栄養補助食品という名の体の不調を引き起こしてしまうような食品が増える傾向にあると思います。
よって、「鼻が詰まる。」というのは2人に1人どころか、もはや当たり前とも言える時代になるかもしれません。

だからこそ今一度、なぜ鼻が詰まってはいけないのか。といった理由を皆様にお伝えすることで、1人でも多くの方が嗅覚を始めとする五感の重要さを知り、日常生活の習慣を見直す事で自分自身の体を守り抜いて欲しいと思うのです。

五感を鈍らせてしまうこと

では、具体的にどのような事で五感は守られ、どのような事が鈍らせてしまう原因になるのでしょうか。

現代は五感を鈍らせ、強いては感覚麻痺を起こしてしまう物事が日常生活の至る所に溢れています。

・視覚(視る)
視覚から得られる過激・刺激的な映像や情報の数々。
ネット・ソーシャルメディア・ニュース・ゲームなど。(電子機器全般に長い時間触れること。)

・聴覚(聴く)
聴覚から得られる刺激的な音。
ゲーム・ニュース・音楽など。

・嗅覚(嗅ぐ)
嗅覚から得られる刺激的な香り。
過度な柔軟剤や洗剤・香水・食品添加物など。

・味覚(味わう)
味覚から得られる刺激の強い食品。
食品添加物・加工食品・過度な甘味や塩味など。

・触覚(触れる)
触覚から得られる刺激。
肌に直接触れる化学製品の衣類など。

ここに挙げられている共通点は、全て「過激で刺激的な情報。」になります。


心と体の矛盾

現代は日常生活を通し、ありとあらゆる刺激が五感を通し飛び込んできます。
その過剰な刺激、過激な情報の量によって私達の頭(心)は常に休まる事なく興奮・混乱状態の中にいます。 

「穏やかに過ごしたい。」「自分に優しく。」と言いながらも、いつも自分自身の外側にある刺激に振り回され、体は疲弊しています。

また、それらには際限がなく求めれば求めるほど次々と強い刺激が現れ、更に強い刺激を求め続けることで、遂には感覚が麻痺してゆきます。

正に、毒を持って毒を制する時代です。
もはや、体や命を守る為の防御もありません。

私達の頭(心)は強い刺激を求めるけど、体は優しい刺激を求めている。
いつもそこには、頭(心)と体の矛盾が存在しています。

心と体の両方を使って生きる

私がいつも頭(心)で考え過ぎてしまいそうになる時に、「私達は人間である前に動物だ。」という言葉を思い出します。

膨大な情報の刺激によりつい自分の頭が良くなったような気がしてしまいますが、実際に体現してみると一筋縄ではいかない事が山程あります。
体を使い行動してみて、初めて分かる事が沢山あります。

そんな時、私の師匠がよく「頭でっかちになっちゃいけない。」「知ってる事と出来る事は違う。」と教えてくれていた言葉を思い出しては、その言葉の重みを噛み締めています。

改めて、人間は心と体の両方を使って生きています。そして、五感はその内の体から感じられる感覚器官です。

現代は特に心の赴くままに、心ファーストで生きてしまいがちですが、心で感じる以上に体で感じられることは沢山あります。

むしろ、心よりも体(五感)の方が私達が生きる上で本当に大切な事を教えてくれたりもします。

心と同じくらい、体は大切なものです。

超手軽・超便利・超安心安全の裏側には、時として本来人間にとって重要な体の能力を奪い、結果的に不幸を招いてしまう事になるのではと思えてなりません。

五感を養う為にできること。

とは言ってもこの令和の時代、五感を大切にする為にネットを一切見ない・触れない、香りを嗅がない、音楽を聞かない、体に悪そうなものは一切食べない、全ての衣服を天然素材にするなどは到底難しいと思います。
時代に合わせながら生きていく必要があると思います。

全てを徹底するのは難しくても、日常生活の中で出来ることをほんの少し取り入れる意識をするだけでも様々な強い刺激から自分自身を守り、五感を養うことが出来ます。

その方法は、先程例に挙げた「五感を鈍らせてしまうもの。」と反対の自然に触れることです。

草花、木々などの自然を眺める、自然の中へお散歩に行く、なるべく加工されていない自然のものを口にし、心や体が安らぐ心地良い音楽を聞く、自然の香料のものを嗅ぎ、肌着など肌に直接当たる箇所は極力自然素材のものを着用するなどは、全て五感にとって心地良い刺激となり、五感を養うことに繋がります。

これらの優しい刺激を日常生活の中でなるべく選択されることで、次第にこれまでとは異なる食の好みの変化、柔軟剤や洗剤などの香りに対する変化、見るもの耳にするものの変化、肌から感じられる心地良さの変化などが良い意味で様々な変化が現れてきます。


心や体が本当の意味で喜ぶといった感覚や、穏やかな状態というのが感じられると思います。

もし、それを理屈ではなく体で感じられた時、本来の五感の感覚が正常化し、体の健康レベルが上がったサインになります。

最後に。

私には、トイプードルとスタンダードプードルの2匹の愛犬がいます。
先日、夜の散歩に出掛けた時のこと。
私達の目の前を狐が横切りました。
その瞬間、我が家の2匹が追い払うように吠え、その様子に驚いた狐は反対方向の道路を全速力で駆け抜け、到着した先の歩道に立ちすくみながら暗闇の中じっとこちらを見つめています。

私達と狐の距離は10メートル程。
しかしその距離が20メートル、30メートル、40メートルと離れても尚、微動だにせずこちらの様子を見つめています。

一方で我が家の2匹はと言うと、狐が反対の道路に向かった瞬間から既に警戒心は切れており、呑気に近くの木々や地面の匂いを嗅いでいます。
もちろんの事ながら、見つめられている事さえも気付いていません。

遂にその狐は私達が角を曲がり姿が見えなくなるまで、視線を逸らす事はありませんでした。

外敵のいないぬるま湯状態の中で暮らしている我が家の2匹と厳しい自然界の中で生き抜いている狐、同じ動物でありながら似ても似つかない光景を目の当たりにした時、「こうやって使わない機能は退化してゆくんだぁ。」と思わされた出来事でした。

それ以来、2匹の五感を取り戻すべく就寝の際は私の敷布団で寝かしつけているのですが、隙を見ては別の部屋にあるベッドへと移動する始末です。

___
改めて五感は、動物が生まれながらにして自分の体や命を守る為に備わっている能力です。
それは、時代が変わっても変わる事はありません。

しかしこれらは使わなければどんどん退化し、次第に自分自身の体を守る事が出来なくなってしまいます。

自分の体は自分で守る。

1人でも多くの方がその重要さに気付き、自分を守る術として大切になされて欲しいと思います。

それでは本日も最後まで読んでくださりありがとうございました。
良い1日を過ごされてください。

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