自然治癒力とは
私たちの身体には、傷ついたところを修復したり、体温を一定に保ったり、疲労から回復しようとしたりする働きが備わっています。一般に、こうした身体を守り、元の状態へ戻ろうとする働きを「自然治癒力」と呼びます。
東洋医学では、現れている症状だけでなく、食事や睡眠、呼吸、心の状態なども含めて身体全体をみます。その人が本来もつ働きを発揮しやすい土台を整えることを大切にしています。
自然治癒力は、何か一つをすれば急に高まるものではありません。毎日の過ごし方の積み重ねが、身体の状態に影響します。
今回は、日常の中で見直したい4つの習慣をお伝えします。
病気から回復するのも、身体に備わる力
例えば、同じように風邪をひいても、すぐに回復する人もいれば、症状が長引く人もいます。
その違いには、その時の体力や睡眠、食事、心の状態など、さまざまなことが関係しています。
自然治癒力には個人差がありますが、日々どのように過ごし、心と身体を健やかに保っているかも、身体の回復を支える大切な要素です。
では、自然治癒力が働きやすい身体をつくるために、日常の中でどのようなことを意識すればよいのでしょうか。
東洋医学の考えをもとに、身体を整えるために大切な4つの習慣をみていきます。
自然治癒力を支える習慣1「呼吸」
呼吸は、私たちが普段意識をしなくても、当たり前のように行っているものです。
しかし、呼吸がなくなることは命が終わることを意味するように、呼吸は生命と直結する大切な働きです。
呼吸は文字どおり、吐いて、吸うこと。
赤ちゃんは産声とともに息を吐き出し、この世での呼吸を始めます。そして最期には、息を引き取ります。
忙しさや緊張が続いている時には、無意識のうちに呼吸が浅くなり、息苦しさを感じることがあります。
東洋医学では、吐くことと吸うことの両方によって、身体の内と外を循環させていると考えます。
吐く息で、身体の中にたまったものを外へ出す。
吸う息で、新しい空気を身体の中へ取り込む。
呼吸を通して、私たちは常に「手放すこと」と「取り入れること」を繰り返しています。
呼吸は命そのもの。
身体を整えるために、まずはゆっくりと息を吐き、自分の呼吸に目を向けることも大切です。
自然治癒力を支える習慣2「心の状態」
自然治癒力と聞くと、身体だけの働きだと思いがちですが、心と身体は密接につながっています。
身体の状態は心に影響し、心の状態もまた身体に影響します。
東洋医学では、これを「心身一如」といいます。
私たちは日々生活する中で、さまざまな出来事に出会います。そのたびに、嬉しい、悲しい、腹が立つ、不安になるなど、気持ちが動くことは自然なことです。
私の家には2匹の犬がいます。
もちろん犬にも感情はありますが、人間のように、過去の苦しい出来事を何度も思い返したり、まだ起きていない未来を想像して心配し続けたりすることはありません。
人間は、心というものを大きく発達させた動物だからこそ、感情に振り回され、疲れてしまうことがあります。
喜怒哀楽があること自体が悪いのではありません。
一時的に落ち込んだとしても、少しずつ平常の状態へ戻れること。ひとつの感情に偏った状態が長く続かないことが、心と身体を健やかに保つうえで大切です。
東洋医学の古典にも、心と身体の養生として、精神を安定させ、感情の乱れを慎むことが記されています。
自然治癒力を支える習慣3「食事」
東洋医学には「医食同源」という言葉があります。
病気を治療することも、日々の食事によって身体を養うことも、健康を保つためにはどちらも欠かすことができないという考えです。
私たちの身体は、日々食べているものからつくられています。
ただし、食べ物を単純に「良いもの」「悪いもの」と分けるのではなく、季節や年齢、その時の体調、胃腸の状態に合ったものを選ぶことが大切です。
今の自分には、どのような食べ物が必要なのか。
それを消化し、身体の中に取り込める状態なのか。
どのようなものを、どのように食べるかという毎日の選択が、健康の土台をつくります。
年齢を重ねて体力が変化していくほど、日々の食事によって身体を補うことは、より大切になります。
身体に合った食事は、その年代ごとの健康や美しさを内側から支え、人生に彩りを与えてくれるものだと思います。
自然治癒力を支える習慣4「身体を動かす」
現代は、肉体を使う仕事よりも、デスクワークなど頭を使う仕事が増えています。
日常生活でも利便性が高まり、私たちが身体を動かさなくても、多くのことができるようになりました。
頭よりも身体を使っていた時代から、身体よりも頭を使う時間が多い時代へと変化しています。
しかし、本来、人間もほかの動物と同じように、身体を動かしながら生活してきました。
適度に身体を動かすことは、体力を保つだけでなく、心の状態を整えることにもつながります。
頭の中で考えが巡り、気持ちが行き詰まっている時でも、散歩をしたり、身体を動かしたりすることで、少しずつ気持ちが切り替わることがあります。
特別な運動を始めなくても構いません。
歩く、掃除をする、庭仕事をするなど、日々の暮らしの中で身体を使うことも、立派な運動です。
自分の体力や体調に合わせて、無理なく身体を動かすことが大切です。
必要な医療と、日々の養生
急な症状や、検査や診断が必要な時には、西洋医学に適切に頼ることが大切です。
一方で、医療や薬だけにすべてを任せるのではなく、普段から食事や睡眠、呼吸、心の状態、身体の使い方を見直し、自分の身体を整えておくことも大切です。
日常は、東洋医学の考えをもとに身体の土台を整える。
そして、急性期や緊急時には西洋医学に適切に頼る。
どちらか一方を否定するのではなく、その時の身体に必要なものを選ぶことが大切だと、2Faceでは考えています。
身体が本来の力を発揮するために
誰もがもっている自然治癒力。
それは、何か特別なことをすれば急に高まるものではなく、日々の過ごし方によって少しずつ支えられていくものです。
呼吸、心の状態、食事、身体を動かすこと。
毎日の小さな積み重ねが、身体が本来もっている力を発揮するための土台になります。
自分の身体の力を信じながら、必要な時には周りや医療の力も借りる。
その時々の自分に合った方法を選びながら、身体と向き合っていくことが大切です。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。









