明けましておめでとうございます。
早くも新年が始まり、当院は1月7日から診療を開始したのですが、新年早々お湯を沸かし忘れ紅茶をお出しするのに時間が掛かったり、予約枠の時間を間違えたりと正月ボケを見事に発揮してしまいました。
私は普段からかなり抜けている人間なのですが、長い正月休みを挟んだことで拍車がかかってしまったようです。
大変ご迷惑をお掛けしたのと同時に、快く受け流して下さった皆様ありがとうございました。
さて、本日のテーマは体に働く元に戻ろうとする力についてです。
ほとんどの方が施術を受ける毎に右肩上がりでどんどん良くなる。といったイメージを持たれるかもしれません。
しかし実際には、過去の体よりも新たな体の方が心地良い。安心できる。と体が認識し、それが定着するまで体には元に戻ろうとする力が働きます。
また、新たな体よりも過去の体と過ごした時間が
長ければ長い程、元に戻ろうとする力も強くなります。
それは過去の体は私達にとって長年慣れ親しんだ体だからです。
本日はそんな誰もが働く体が元に戻ろうとする力や新たな体の状態を維持する為の方法、目安期間についてまとめています。
宜しければご参考にされてください。
体に働く戻ろうとする力
私達の体には命を守る為に安定する力が備わっています。その代表的なものが体温です。
それぞれ人によって異なりますが、35,5℃〜37℃あたりが平均体温と言われています。
もしかするとある日は34℃、ある日は39℃、そしてある日は37℃になるなど、日々体温に大きくばらつきがある。と言う方もおられるかもしれませんが、基本的には風邪を引いたり特別な体の不調がない限り、多少のバラつきはあれど体温は一定に保たれていることの方が多いと思います。
雨、雪、気圧、湿気、暑さ、寒さなど、様々な外側からのストレスが加わっても体調を大きく崩す事がないのは体温を安定させる事で体は命を守ろうとする働きがあるからです。
また、これは体の痛みや不調においても同じ力が働きます。
例えば突然腰が痛くなり数日、数週間、遂には数ヶ月続く事で慢性化し、体にとって当たり前になると体はその痛みありきで体を安定させようとします。
言い方が適切かどうかは分かりませんが、今の痛みや不調を抱えている体の状態は、ある意味ベストバランスの体だったりします。
一方で体に施術や何かしらの刺激を加える事で、一時的にそのバランスは崩れ、体は安定から不安定な状態に変わります。
この時に体に現れる症状が好転反応というものなのですが、バランスが崩れ不安定になった体はどうなるのかと言うと安定の場所に戻ろうとします。
その安定の場所と言うのが「元の体」です。
「せっかく良い状態にしたのに、元の体に戻ろうとするなんて意味ないじゃん。」
なんて思われるかもしれないのですが、ある意味当然と言えば当然です。
体からすると、付き合いが短い不安定な体よりも長年慣れ親しんでいた元の体の方が安定感がある訳です。
これは体を良くしようとする過程で誰もが通る道ですが、この体に働く元に戻ろうとする力を知らない事で思うような結果が出ずにイライラしてしまったり、必要以上に落ち込んでしまう方も少なくありません。
また、この力が起きた際にどう対処するのかによっても手に入れる結果も違うように思います。
まずはここまでで、体にはなるべく安定させようとする力が働くこと。元いた場所に戻ろうとする力が働くこと。の2つを覚えて頂ければと思います。
慣れ親しんだ期間が長ければ長い程、戻る力が働く
突然ですが今の自分の性格は親からの遺伝、環境、日々の習慣の上で作り上げられていると言われています。
また体も同じく親からの遺伝、環境、日々の習慣によって現在の体が作り上げられています。
もはや長年に至る不調や痛みは、自分自身の一部のようなもの。
どうしてもそのような体と慣れ親しんだ期間が長ければ長い程、元に戻ろうとする力も強く働きます。
大人になり性格を変えるには相当な努力が必要なように、体もまた今まで作り上げてきた習慣を改め、体を整えようとすることはとても大変な事です。
だからこそ、体が「新しい体の方が良い。」と認識するまで体にコツコツと定着させる必要があります。
私事になりますが、5年程前に歯の部分矯正を行いました。
矯正が終わった後も、歯の状態が元に戻らないよう約1年間は眠りにつく前に毎日マウスピースをはめ、現在でも1週間に1回マウスピースをつけ眠りについています。
しかし、あれから5年経過した現在でもマウスピースをはめる際はとてもキツく、元に戻ろうとる力が働いているのが分かります。
毎週この作業を行う度に「そう簡単に変わる一瞬の魔法はないよ。」なんて言われているようで、ハッとさせられる瞬間になっています。
パターンを思い切って変えてみる
「体を良い状態に変えていきたい。」そう思った時にお勧めなやり方は、今までのパターンを思い切って変えることです。
この時の大切なポイントは”思い切ること。“
今まで行なってきたパターンを真逆に振る勢いで思い切り変えてみると、良い意味でも悪い意味でも体の変化が感じやすくなります。
反対に「これぐらいでいいや。」などこれまでの生活に少し毛が生えた位の変化だと、長年染み付いてきた行動パターンや考え方が抜けずに結局はマイルールの範囲内で行われることで変化も現れづらくなります。
突然ですが、子供は真っ白なキャンバスです。
純粋で素直で柔軟で、言われた事を一点の曇りなく、どんどん吸収します。
一方で私達大人はと言うと、年齢を重ねれば重ねるほど今までのパターンが頑固にこびりつき、中々素直に行うことが難しかったりします。
新たに学んだ事に1や2を勝手に足してみたり、遂には全く違う方向に行ってしまったり。
これまで自分自身で作り上げてきた常識を一旦捨て、大きく崩さなければパターンは中々変えることは出来ません。
だからこそ思い切りが必要です。
しかしどうしても自分1人の力だと限界があると思いますので、パターンを変えるきっかけとなる場所も必要です。
もし痛みや不調のある方で既に治療されている方は、担当の先生の事を信頼し治療にあたって欲しいと思いますし、現在当院に通われている患者さんでお体の事でお聞きしたい事がありましたら、是非遠慮なく聞いて頂ければと思います。
目安は3ヶ月。同じ事を淡々とコツコツ続ける
春夏秋冬と季節が3ヶ月毎に変化するように、
体に変化が現れるのも約3ヶ月と言われています。
特に何か新しいことを初める際はやる気に満ち、大きな変化も現れやすい時期なので、この3ヶ月間にいかに思い切りパターンを変えられるかが重要だったりもします。
新たな習慣を取り入れ、“あなたの新しい体はここですよ”と体に覚えさせることで少しずつ体は不安定から安定へと切り替わってゆきます。
その時のポイントの1つめは、淡々と行うこと。
冒頭でお話ししたように、体には常に安定させようとする働きが備わっているので、分かりにくいようですが雨、雪、気圧、湿気、暑さ、寒さなどの外からの刺激、自分自身の内側で起こる様々な感情によって体は毎日変化しています。
特に近年は気候変動も凄く、季節の変わり目も薄れ、もはや季節の概念がなくなってきているような気さえしています。
人間は気候の影響を受けているので、乱高下する気候に合わせて心や体の状態も不安定になりやすいです。
しかし、そのような内や外から起こる刺激に対し必要以上に心を引っ張られ過ぎてしまうと、安定に向かうまで時間が掛かったり、最悪の場合不調や痛みが3ヶ月を過ぎて慢性化してしまう場合があります。
「何にも動じないように。」とまでは言いませんが、なるべく淡々と行うことが安定への最短ルートになります。
更に2つ目のポイントは、同じ事をコツコツと行うこと。
やる気が満ちている時や、こうなりたい。と言った思いが強いほど、“色々なことをやればやるほど良い。”なんて思ってしまいがちなのですが、むしろ毎日同じことを行うからこそ昨日と今日、今日と明日など日々の体の変化に気付く事が出来ます。
反対に、色々な事を行えば行うほど変化に気付きにくくなります。
淡々と同じ事をコツコツと続ける。
とてもシンプルなのですが、着実に体の状態を良くしていく為の基本です。
体の観察の仕方
ご自身の体の状態がどれくらい良くなったのかを見るお勧めの方法は、1年単位で観察することです。
その時々で色々ありながらも1年前や2年前と比べて右肩上がりで着々と良くなっているのならとても良い傾向です。
また、観察を通し自分自身が不調になる季節や元気になる季節、無理をしてしまう季節や得意な季節など人によってあると思うので、その都度気付き修正することで段々と自分自身の体はもちろん、自分自身についても理解が深まるようになってきます。
何度も同じ事をお伝えしてしまっていますが、自分自身に長年染み付いた行動パターンや考え方が簡単には変化しないように、その不調と慣れ親しんだ期間が長い程、魔法のように一瞬で良くなることはありません。
一時的に調子の良い体を目指すよりも、長い目で見て少しずつより良い方向へ。といったイメージで取り組んで頂ければと思います。
最後に
つくづく感じることは、人生は短距離走ではなく長距離走。
若い期間より歳を重ねてからの方がずっと長いということです。
先細りの人生より、末広がりの人生。
一瞬の瞬発力よりも細く長く末広がりに着実に良くしていく事には、心や体を健やかに保つ事はもちろんより良い人生を過ごしてゆく為のヒントが隠れているような気がしています。
一体いつまで生きれるのかどうかは分かりませんが、今よりずっと年齢を重ねたその先で「今が1番幸せ。」と言える人生を送りたいものです。
ここまで読んでくださりありがとうございました。良い1日をお過ごしください。