こんにちは。
北海道はいよいよ雪が降りましたね。
先日お家を出ると、あたり一面落葉だらけ。
周りにあるほとんどの木々から葉がなくなり、枝のみになっていました。
そんな様子を眺めていると、落葉の片付けを行っていた管理人さんと立ち話に。
管理人さん曰く、毎年木々がすっかり落葉するのは大体11月末頃だそう。
しかし今年は、1か月以上早く「秋がなくなってきている気がする。」何て話をしていました。
確かに今年は夏の期間が長く気温が高かったので、紅葉が始まるのも遅かったのですが、更に落葉のペースが早いとなれば、秋が一瞬で過ぎ去っような感覚になりますよね。
今まで当たり前あると思っていた四季がそう遠くない未来になくなってしまうのかもしれない。改当たり前を当たり前だと思ってはいけないなぁ。と改めて感じさせられた瞬間なのでした。
さて、現代はネットで気軽に検索できる時代になったことで、様々な病名をネットで調べる事ができます。
ネットからご自身の当てはまる症状をチェックして、「こんな病気かもしれない。」「○○と言う病名だった。」などと伝えて頂く事が多くあります。
そしてその中でも「適応障害」という言葉を近年はやたら耳にするようになりました。
体感としては、自律神経失調症の次に多い印象です。
それに関する見方は、西洋医学と東洋医学では全くもって異なります。
例え西洋医学では適応障害という診断を受けていても、東洋医学ではその方を「適応障害」として治療する事はありません。
あくまでもその方の体の状態から内臓(五臓六腑)の調子はどうなのか、今よりも自然治癒力を高めるために出来ることは何なのかということにフォーカスし、淡々と治療を行います。
「障害」と言われると何だか一気に重みが増し、解決策も見えづらくなると思うのですが、違った視点から物事を見ることで、もっと広い視野で自身自身を見ることができるようになるのではと思います。
また、それと同時に診断名にも付いている“適応”とはどういう事なのかを明らかにしていくことで、今よりも物事がシンプルになり、自然と解決策もみえてくると思います。
今回はそんな「適応障害」をテーマに東洋医学ベースで書き綴りますので、1人でも多くの方の参考になりましたら幸いです。
西洋医学で考えられている適応障害とは?
まず初めに、AI Overviewから一般的な「適応力」と「適応障害」の定義について抜粋してみました。
適応力とは、「新しい環境や状況に合わせて行動や考え方を柔軟に切り替え、適切に対応する能力。」
適応障害とは、「特定の環境の変化やストレス源に対して、うまく適応できずに精神的・身体的な不調が生じ、日常生活に支障が出ている状態」だそうです。
また、西洋医学で考えられている適応障害の症状には主に精神面、身体面、行動面の3つがあります。
精神面では抑うつ気分、不安、イライラ、意欲の低下。
身体面では不眠、食欲不振、動悸、めまい、頭痛、全身の倦怠感。
行動面では遅刻・欠勤、過剰な飲酒、無謀な運転、対人関係でのトラブルなどが挙げられます。
また、精神科やメンタルクリニックに通われている方の約3割が適応障害とも言われ、鬱病などから適応障害に移行するパターンもあるようです。
しかしこれらの適応障害に見られる症状は、発達障害、自律神経失調症、鬱病をはじめ、心身の不調によって誰しもが現れるような症状でもあるので実際は明確な線引きは難しく、病院毎に診断名が違う。といった方もいらっしゃいます。
また、それらに対する現代医学での解決策は、1,原因となるストレスの排除2,薬物療法3,精神療法(カウンセリング)の主に3つになります。
この中でも1番簡単なものは1,の原因となるストレスの排除になりますが、現状は「今置かれている環境を変えることが難しい。」という方がほとんどで、2,薬物療法3,精神療法を選択する方が多い傾向にありますが、根本的な解決が難しいのが現状です。
一方で、東洋医学は自分自身の外側に起こるストレスは変えられなくても、自分自身の内側(心身の状態)が変わることで、例え同じ環境下いたとしてもストレスの受け止め方に違いが現れると考えられています。
東洋医学で考える適応障害、適応力とは?
東洋医学は、人が心と体を健やかに保つ為には自然のリズムに(二十四節気)合わせた過ごし方が大切だといった考えが根底にある医学です。
では東洋医学においてなぜ自然との調和が大切だと考えられているのかと言うと、人間や植動物を初め、自然界の全ての生き物が生きて行く為に欠かせない水、野菜、肉、果物などの飲食、木々から得られる呼吸は、自然から供給されているからです。
そんな私達の生命を支える根源が自然であるならば、春は春のものを食べ、春の過ごし方を取り入れる、夏は夏のものを食べ、夏の過ごし方を取り入れる、秋は秋、冬は冬…のように自然と調和しながら過ごすことは、心や体の健康に必要不可というのが東洋医学の考え方です。
更に東洋医学にはこれらを行うにあたり、もぅ1つ大切な意味があります。
それは、自然のリズムに合わせて過ごすことで、様々なストレスに適応できる強い体をつくる。ということです。
私達の身の回りには日々沢山のストレスがあります。
その1つが季節の変化です。
四季を通し肌で感じられる冷たい風、灼熱の暑さ、まとわりつく湿気、乾燥、過酷な寒さなど、私達は当たり前かのようにそれらを受け止めていますが、体はいつもこれらの変化に適応しようと水面下で力を発揮し、私達の体が一定に保てるよう守ってくれています。
一言で言うなら、体はこのような外側からの様々なストレスに対抗する鎧のようなもの。
先程、自分自身の内側(心や体の状態)が変わることで、例え同じ環境下にいたとしてもストレスの受け止め方に違いが現れるとお伝えしましたが、鎧が頑丈であればあるほど、外側からの様々なストレスにも適応することができ、ストレスをストレスと感じにくい体になります。
むしろ、そのストレスに何度も打ち勝つことで、より高い適応力を得られることが出来るようになります。
それは、何度も風邪をひくことで免疫がつき、風邪をひかなくなるのと同じようなことです。
しかし現代は「適応障害」以前に、体が不安定な事で季節毎に体調を崩す方、年中体調が悪い方、環境の変化やストレスに弱い方が子供から大人まで多いような気がしています。
少々厳しい言い方にはなってしまいますが、そもそも季節の変化に適応するのも難しい体が、適応の定義とされている「新しい環境や状況に合わせて行動や考え方を柔軟に切り替え、適切に対応する能力。」を発揮できるのでしょうか?
まずは、「自然のリズム合った生活をすることで、どんなストレスにも柔軟に適応できる体をつくる。」というのが、私が考える東洋医学からみた適応障害を克服する為の方法になります。
植物や動物はいつも適応するよう生きている
自然界で生きる植物や動物はシビアです。
厳しい自然界を生き抜く為に、適応する術をもっています。
例えば植物は春に芽を出し夏に成長し、秋に紅葉、落葉をすることで栄養を溜め込み、冬は完全に成長をストップさせます。
また今話題の熊も春は冬眠から目覚め、夏は活動、秋は栄養を溜め込み、冬は冬眠します。
このように、植物や動物は自然界で生きていく為に季節毎に過ごし方を変え、大切な命を守る為に自然に適応しています。
そこに、嫌だとか面倒くさいとかの感情は一切ありません。
何故なら自然に適応が出来ない事は死に繋がってしまうからです。
一方で、人間はどうでしょうか?
旬の食べ物を度外視し、好きなものを好きなだけ食べる生活、冷たいものを年中食べ、飲んだりする生活、好きな時間に寝る生活、体を動かさない生活、寒い暑いを無視した衣服など。
生活が便利になったことで、人間だけが唯一植物や動物達が当たり前に行っている自然のリズムを無視し、勝手に体調を崩しています。
それはまるで人間の世界だけ季節の変化がなく、自然が存在していないかのようです。
“自分の思うように、生きたいように生きる。”
世の中には心惹かれる素敵な言葉が沢山ありますが、人間が生きて行く上で大切な何かを忘れているような気がしてなりません。
適応力がある人は、その季節に適した体になる
日本は1年を通し春夏秋冬、更に季節の変わり目の土用も含めると、季節が切り替わるタイミングが合計8回あります。
(更に細かくいうと二十四節気があるのですが、今回は割愛します。)
本来は季節のリズムに合わせた過ごし方を行っていると、季節が切替わる毎にその季節に合わせた体に変化します。
例えばその1つに肌が挙げられるのですが、季節に適応している方の場合、春の肌は新芽のように柔らかく、夏は勢いよくハリがのある肌、秋は赤落ちの良い艶の良い肌、冬は水分を多く含んだ水々しい肌、季節の変わり目の土用は栄養が詰まった豊満な肌…など、植物や動物が各季節に同じて姿形を変化し適応するように、人間の体も各季節に応じて体を適応させています。
一方で、このような変化・適応をすることが難しい体の場合は、冬であるのにも関わらず夏の体である為に風邪を引きやすかったり、夏なのにも関わらず熱の発散が出来ず夏バテが起こるなど、季節と体の不一致がいつも起きています。
その結果、一例として
・春は花粉症などのアレルギーや頭痛
・夏は夏バテ
・秋は風邪を引く
・冬は膀胱炎やしもやけ
・季節の変わり目は胃腸の不調
など、季節が変わる毎に毎回体調を崩しているといった事が起きやすいです。
しかし、私達人間の体も季節のリズムに合わせた過ごし方を行い、体を柔軟に適応させることが出来たのならば、季節が変わる毎に体調を崩すという事はほとんど起こらなくなります。
適応力を上げる為にできること3つのこと。
毎度毎度同じことをお伝えしているので、「耳にタコが出来そう。」と思われる方もいらっしゃるかと思うのですが、それほど大切な事ですので、改めて適応力を上げる為に特に大切な3つの事をお伝えいたします。
1,旬のものを食べる
旬の食べ物には、その季節にしかない栄養がつまっており、各季節の不調から体を守ってくれる働きがあります。
現代は1年中旬関係なくどんな野菜も口にする事ができますが、例えば夏に食べる大根と冬に食べる大根は味が全く異なります。冬に食べる大根は甘味があり、冬の冷えた体を温める効果があります。
それだけ各野菜には、その野菜が本領発揮できる季節があるということです。
2,季節に合わせた過ごし方で心身を整える
春は活動の準備と休憩のバランスをとりながら程良く過ごす。
夏は活動と発散をして過ごす。
秋は気持ちを落ち着けて、感性に寄り添いながら過ごす。
冬はしっかり体を温めて、ゆっくりとのんびり過ごす。
3,胃腸の調子を整える
胃腸は食べたものを消化吸収し、栄養を全身にまわす働きがあります。
「体は食べたもので出来ている。」と言う言葉があるように、私達が生きる為に欠かせない体の土台になるところです。
自然のもの、質の良いものを食べれば食べるほど胃腸の働きは良くなり、体の調子は良くなり、反対であればあるほど体の調子は優れなくなります。
下記は現代の方が特に胃腸の調子を傷付けやすい原因になりやすいものです。
1,小麦類(麺やパン)過度な甘味、添加物、加工食品
2,お酒、カフェイン
3,冷た過ぎるもの
これらの共通点は、刺激が強いということです。
もちろん、時にはこれらを食べたくなる時もあります。添加物に助けられる時だってあります。
私自身、お菓子作ったり、買ったりする事もあります。昔は添加物やお酒なども狂ったように食べていた時期もありました。
しかし、現在は毎日のように食べ続けてしまうと体に不調をきたす事が分かるので、口にした一瞬の喜びよりも、その後の調子が悪くなることの方が耐えられないという事もあり、こういったものはたまにの嗜好品といった位置付けになっています。
また1や2は刺激が強い分、依存性も高く、自分の意思とは裏腹に「無性に食べたくなる。」といった衝動を断ち切ることが難しい食べ物でもあります。
適応力が上がるとキャパシティーが広くなる
適応力は、無限に広がるブラックホールのようなもの。
そこに限界値はなく、広げようとするならば四方八方へどんどん広がってゆきます。
私はそれをキャパシティーや空き容量、器などと表現しているのですが、適応力が上がるほどキャパシティーは広がり、季節の変化はもちろん、人や物事に対しての考え方や食べ物の好き嫌いに至るまで様々なものを受け入れられるようになります。
子供が柔軟になんでも吸収してゆくのは、様々な物事を素直に受け入れてゆくキャパシティーが無限に広がっているからであり、大人になるにつれて柔軟性がなくなり頑固になるのは様々な物事に対してキャパシティーが狭くなるからです。
“心も体も柔軟な方が生きやすい。”
頭では分かっていながらも当たり前かのようにその道を辿ってしまうのは、人間の性なのかもしれません。
…とは言いつつも、私自身ふと振り返ると頑固になっていたり、視野が狭くなる節があるので、生きている間に少しずつでもキャパシティーを広げていけるように頑張ろう。と反省の日々を過ごしています。
季節の変わり目の”前”に注意する
季節の変わり目は春夏秋冬を除き、春から夏、夏から秋、秋から冬、冬から春の1年に合計4回あります。(土用)
よく、「季節の変わり目は体調管理に気をつけましょう。」などの言葉を耳にしますが、体調を崩すのを防ぐには、季節の変わり目よりもっと前の春夏秋冬の過ごし方がやはり重要になります。
なぜなら、春夏秋冬の時点で既に体調が不安定なのであれば、そもそも気候の落差が激しく最も体力を必要とする季節の変わり目を乗り越えることが難しいからです。
改めて、春夏秋冬の過ごし方の結果が季節の変わり目に現れると言っても良いかもしれません。
最後に
適応力は、様々な変化に柔軟に適応する力であり、変化にはストレスがつきものです。
しかし、ストレスは必ず進化の過程にあるもので、決してネガティブな事だけではありません。
ストレスがあるから人は成長し、逆境を乗り越えてきた生き物が現在まで生き残っています。
決して悲観する事ばかりではないので、1つの角度ではなく、様々な角度から物事を見ることで、ストレスに対するイメージもポジティブなものに変化するのではないかなと思います。
また、人間の心や体はいつも自然の影響を受けて生きています。
自然の様子が大きく変わると私達の心や体も同じように大きく揺れ動きます。
近年度々見られる異常気象なども、もちろん私達の心や体に影響を与える事の1つです。
未来の事は分かりませんが、今後は気候の落差がもっと激しくなるかもしれません。
春夏秋冬の概念さえもなくなるかもしれません。
しかしそんな時代だからこそ、改めて自分自身の体に注目し、自分の体を自分で守る。
出来るだけ柔軟に適応し、揺らぎづらい体をつくる。ことが一層大切になってくるのではと感じています。
どんな事があっても、しなやかに形を変えながら激動の時代を生き抜きたいものです。
追記:本日は6000文字オーバーになってしまいました。
毎回書く前までは、「3000文字程度に留めて簡潔的に〜。」なんて考えているのですがついつい熱が入りこの調子です。
もっともっと伝えたい事が山程あるのですが、焦らず地道にコツコツ続けていけたらと思いますので、気長に読んで頂けますと幸いです。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。良い1日をお過ごしください(*^_^*)