現代は心の時代。強く生き抜く為の心の養生法。

東洋医学には、天地人という言葉があります。
(東洋医学と言うとインドのアーユルベーダ、中国発祥の中医学など幅広くあるので、ここでは日本式漢方の東洋医学を中心とした話になります)

東洋医学では人も大自然の一部であり、人の心や体に起こる不調などは、天地(大自然)の影響を受けると考えられています。

天 

地 

そして、その天地の間に人は生きてい^_^す。更に、この3つの軸は60年事に移り変わるらしいです。

今風に言うと風の時代などと言うみたいだが、東洋医学にもそんな◯◯の時代と言うのが存在するのですね。

そしてそんな肝心な3つの時代の中でも
現代は、 人の時代。

人を軸とする時代がメインとなることで、大人から子供、年齢や性別関係なく、人の時代は「人の精神面に影響を与える時代」だそうですね。

精神と言うとなんだか重い響きに聞こえるので、もぅ少しフラットな言い方をすると“心の不調が多くなる時代”としておきましょう。

それらは、
・気分が落ち込みやすい
・気持ちが落ち着かない
・気力がない
・気分の上がり下がりが激しい

などといった、心の不調に結びつくもの全般。

私はそんな現代を「心の時代」と勝手に呼んでいます。

実際に調べてみると、現代では心療内科に受診している方が10年前に比べ2倍増加、20年前と比べ6倍も増え、心の不調を訴える方が時代と共に増加しています。

そして、そんな心の不調が主軸となる時代でありながら、元々感受性が豊かであり、

“繊細”な方であればある程、よりこの時代を生き抜くのは大変のように感じてなりません。


そんな現代を生きる私達にとって、
重要なテーマ“こころ”に焦点を当て、
今日は心の健康を保ちながらより良く過ごしていく方法を東洋医学と交えながら紹介させて頂きます。

心と身体の関係性”心と身体は繋がっている。
よく、こんな言葉を耳にした事がある方もいらっしゃると思います。

漢方では、心身一如(しんしんいちにょ)という言葉があり、心と身体は別々のものではなく1つである。という意味の言葉があります。

例えば、気持ち(心)がイライラし、過食をすると胃腸(体)を悪くしてしまったり、過度の心配やイライラ(心)が胃腸(体)に影響を及ぼしてしまいます。

心の乱れは体の乱れと言うように、
心の不調は身体の不調に繋がり、
身体の不調は心の不調へと繋がります。

心と体は切っても切れない関係性。
正に一心同体、 運命共同体のようなものです。

心の不調は身体から治す

心と体は繋がっているので、
どうしても心の不調が続くと身体の不調に繋がってしまいます。

心と繋がりのある身体を整え、身体が楽に動けるようになると、自然と心が緩み、心が穏やかになります。

身体が心を引っ張ってくれるようになるんです。

その為にも、「健康な体を目指す」
ことは、心の健康を保つ上で必須条件になります。

身体と心、食事の重要性

“身体は食べたもので出来ています”

食べたものは、身体を健康にする土台。

そしてもちろん、食べたものは体をつたって心に影響を及ぼします。

漢方では酸苦甘辛鹹(五味)の味と各臓器は深く関係しており、甘い物の食べ過ぎは胃腸を傷付け、精神(心)にも影響を及ぼすと言われています。

そして、現代は私達の想像以上に甘い物で溢れている時代です。

身体が疲れている時、気分がパッとしない時などに甘味を欲してしまうのは、甘味には興奮作用があるから。

しかし食べた瞬間は脳が興奮し晴やかな気持ちになるが、暫くすると、気分が落ち込み、更に甘い物を食べたくなるという負のループに陥ってしまいます。

依存性も高く、気付けば3食甘い物だけで食事が終わっていたという方も少なくありません。

(ここで言う甘い物というのはデザートや果物だけではなく、パンや麺、お米などの炭水化物も含まれています。)

甘味は身体を動かす際のエネルギーにはなりますが、「体の栄養」という点では乏しいです。

現代は、パン、果物、パスタ、おにぎりなどの炭水化物中心に1日の栄養を賄うが、ほとんどの場合、それらの食事では「甘味過多」により、栄養不足の体になってしまいます。

先程お伝えしたように、”身体は食べたもので出来ている。”

甘味だけに偏れ栄養不足の身体では、身体はもちろん、身体と繋がる心の不調も引き起こしてしまいます。

東洋医学から見る甘味過多の食生活と感情

東洋医学では前述したように味には代表的な酸、苦、甘、辛、「鹹(かん)の5つがあり、
それらを食事の中に満遍なく取り入れ、バランス良く食べることで心身共に健康的な体になれると言われています。

また、季節によっても補った方が良い食材と言うものも決まっています。

しかし、それらを無視した現代の甘味過多な食生活は臓器で言う「胃腸」に負担をかけてしまいます。

そしてその胃腸と言うのは、東洋医学的には感情で言う「思」に繋がります。

思は心配や悩み、思考のこと。

不安やストレスが溜まると胃腸の調子が悪くなる事は誰もが経験した事があると思いますが、

胃腸は「人の感情」とも深く関係している。

そして、そんな甘味過多の食生活は胃腸を傷つけ、不安や心配が尽きない、迷いが多いなどの「感情」(心)にも影響を与えてしまいます。

今後はより一層手軽さを求め、
そういった商品が増える傾向にあるので、よっぽど気を付けない限り、ほとんどが 甘味過多の食生活に偏り、私達の“心”に影響を与えてしまうと感じます。

逆の捉え方をすると、“甘い物で何とか気分を盛り上げたい。そんな風に思われている方が多いのかもしれないですね。

感受性が豊かな方こそ食べ物による影響力は大

感受性が豊かというと、対人関係などにフォーカスされがちだが、“味覚や嗅覚”を始め、あらゆることに敏感であることが多いです。

実はそんな私も感受性が高い人間の1人なので、昔は見た映画やニュースにより感情をもっていかれる1人でした。

印象的なのは、男たちの大和という映画。

戦争映画は歴史を風化させてはいけないとの思いがあり、定期的に見みるようにしているが、特にこの映画を見た時は1週間ほど涙が止まらず、その1週間はほぼ情緒不安定な自分と過ごしてしまう程。

現在は東洋医学を勉強していく中で、感情と健康の結び付きを知り、上手くコントロール出来るようになりましたが、学生時代は特にそれについて沢山悩みました。

しかし、私が鍼灸師になり、健康体な体を手に入れてからは感受性について大きな発見があります。

それは、感受性が豊かであればある方ほど、食事の良し悪しは感情の良し悪しに繋がる。と言うこと。

身体にとってナチュラルなものを食べると不思議と心は穏やか。

デザートやお菓子、 果物などの甘味を多く摂ると、イライラや落ち込みなど、心の不調が現れると言うのが顕著に分かるようになりました。

感受性が豊かと言うのは、あらゆる刺激に敏感になってしまうこと。

であれば、

食べたものが心や身体に真っ先に影響しやすいと言うのはある意味自然な事なのではないでしょうか。

むしろ、健康体な体を手に入れ、様々なものの刺激を受け入れられるようになると日々の生活がぐんと楽になりました。

感受性豊かなのは悪いことじゃない

感受性が豊かできついと思うのは、全ての感情があらゆる刺激に反応してしまうから不便なのだけであって、感受性が豊かな事自体は、決して悪いことではありません。

人よりも感情に触れる幅が広いのは素敵なこと。
喜怒哀楽全て2倍、人の2倍、悲しみや苦しみがあるからこそ、強くなる。
そして、楽しさや喜びも2倍になる。

短所ではない、長所だと思っています。

現代の心の整え方まとめ

心の時代をより一層強く生き抜く為に必要なのは
健康と言う名の体の土台を整えること。

そして、その根源は「食事。」

私達の体は食べた物で出来ているからこそ、
それらによる感情は密接に関わっています。

1、現代は心の時代。(心が不調になる時代)

2、心の不調は、身体から治す。
身体を治すには、食事の見直しが必要。

3、身体の不調がなくなると、様々な刺激に対する許容量が広がり、感情の起伏が少なくなる。

4、心と身体は繋がっているので、身体が健康になることで、最終的に心が健康になる。

最後に。

現在、目まぐるしく変化する世界情勢、個人や社会の在り方、ネット文化が進み、情報を素早く入手でき、とても便利な反面

“見たくない、聞きたくない”そんな情報も普通に生きていても耳にし目に入ることで、心が窮屈になることが沢山あります。

無理にでも無の時間を作らないといっぱいいっぱいになってしまう事もあると思います。

情報や刺激に溢れ、自分というものが埋もれ、分からなくなってしまいそうになる。

しかし、そんな時代だからこそ自分自身の心に重きを置き、向き合うチャンスなのではないでしょうか。

1人1人の心の充実度が増え、寛容的な心を手に入れることが出来たら、人の価値観や意見、個性を受け入られる世界となって、差別や争いは起こらないのになぁ。としみじみ心の平和の重要性について考えさせられる日々です。

世界がもっと平和になると良いのに。

ちっぽけな自分ができることは、私自身が心を充実させ、そのパワーを今お越し頂いてる患者さんに還元し、患者さんがまた誰かに還元できること。

それがこの鍼灸師という職を通し、唯一私が行える事の1つだと思う今日この頃。

高価なブランドやステータスなど、外側の部分ではなく誰にも見ることの出来ない内側。

見えないからこそ難しい、繊細な部分。

これからの時代、いかに内面の充実感が1人1人の人生に彩りを添えるものとなる気がしてなりません。

喜怒哀楽、様々な感情さえも楽しめる。

そんな余裕ある心や身体を育みながら、この時代をより逞しく生き抜いていきたいものです。

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