東洋医学的、春特有の不調と春の養生法

春は目覚めの季節。

植物は芽を出し、動物は冬眠から目覚めます。

じっと寒さから身を守り、耐え抜いてきたあらゆる自然界の生き物が少しずつ活動的になる季節です。

もちろん、人間も自然の一部なので
人間の体も少しずつ動き出します。

そしてそれらの活動に伴い、冬の寒さで固まっていた体の痛みや冬の間体の中に溜まっていたものが一気に体の外へ溢れ出る季節でもあります。

そして、春夏秋冬の中で症状が最も派手になりやすいです。

特に秋冬に準じた養生法(旬の物を食べ、なるべく体や気持ちを落ち着かせて休むこと)が出来なかった場合は、症状がより濃く出現しやすくなります。

春に不調になりやすい臓器

春に不調になりやすい代表的な臓器に「肝臓」があります。

肝臓は、解毒を行う場所。
今風に言うと、デトックスに欠かせない臓器です。

春は、冬に体に溜めこんだ老廃物をデトックスし、体の中を綺麗しよう。と言う肝臓の働きが高まります。

春に出現しやすい症状
1,アレルギー症状

アレルギーに伴い出現しやすい花粉症の症状(鼻水、目の痒み、くしゃみなど)は、春に最も多くみられる症状の1つ。

これらは、春特有の体の中を綺麗にしようとするデトックスする力が大きく働く為に起きます。

2,肌トラブル

アトピー、皮膚の湿疹、かゆみ、肌荒れなども春に出現しやすいです。こちらも、アレルギー症状と同様に肝臓のデトックス作用が高まり、体の中を綺麗にし春夏を活動的に身軽に過ごそうと言う体の働きによるものです。

3,ぎっくり腰,首〜背中にかけての寝違え

肝臓は、東洋医学では筋と関係しています。

筋はいつも関節と一緒に動き、関節がスムーズに動くよう、そして関節にダイレクトに負担がかからないようサポートしています。

一方で筋の働きの大元である肝臓の働きが上手くいかないと、筋に弾力がなく固くなり、関節をサポートするのが難しくなります。

その結果、筋違いや寝違えぎっくり腰などの”関節”のある場所に痛みが生じるようになります。

そしてそんな中でも最も多いのが春に一番先に動き出す骨盤が固くなってしまった事による腰痛です。

腰痛がない方は、徐々に首〜背中にかけての上半身の寝違えや痛みなどが出やすいです。

4,不眠、めまい

東洋医学では、24時間の中で五臓六腑(内臓)が担当する時間というのが決まっています。

その中で肝臓の担当する時間は夜中の1時〜3時。

春の肝臓の働きが上手くいかなくなると、夜中の1時〜3時の間に熟睡する事が難しく、不眠と感じるようになります。

逆にその時間帯にやる気が漲り目が冴え作業が捗る場合も、肝臓の不調が原因です。

また、東洋医学ではめまいも肝臓と深く関係する症状になります。

春のメンタル不調

春はメンタル不調が現れやすい季節です。
喜怒哀楽の中で最も現れやすいのが怒のイライラ。

春の陽気を浴びると共に、気分が高揚し普段より怒りっぽく、攻撃的になる方も多いです。

肝臓は実行力とも関係しているので、行き過ぎると感情や行動のブレーキが効かず、暴れん坊将軍となってしまいます。

(ここだけの話、春に変質者が増えるのも肝臓と関係しています)

その人が元々持っている不調が出やすい季節

前述したように、春は動き出す季節。

自然界の活発な動きに連なるように人の体、感情も外へ外へ出やすい季節です。

その方が元々持っている体の弱い場所や感情などがはっきりと前面にでてきやすいです。

春の養生法 【食べものの味編】

東洋医学では、春夏秋冬それぞれの季節で
摂った方が良い味というのが決まっています。

春に積極的に取りたい味は酸味。

レモンなどの柑橘系のものを食事に取り入れることで、春特有の肝臓からくる不調を和らげる事が出来ます。

普段のお水を飲む際にレモン果汁を入れたり、
眠る前に白湯にレモン水を入れると◎

その際は、お酢やビタミンジュース類などではなくあくまでも、自然のものからの食材で酸味をとることをオススメします◎

春の養生法 【活動編】

春は、陽気が高まり身体が外へ外へ向かう季節。

私達人間もそんな季節に合わせ、 なるべく外へ出て歩く、走るなどの身体を少しでも動かす運動を行うと、肝臓の働きが高まり、身体的やメンタル的な不調の手助けになります。

その時のポイントは、どちらも”外”で行うこと。また、外で体を動かし汗をかくことは春に出やすい感情、イライラを発散する効果も◎

人間も自然の一部なので、そんな自然に寄り添う暮らしをする。と言うのが心と身体を整える東洋医学の基本的な考え方です。

例えば春に冬の食べ物を食べたり、冬のような過ごし方をしてしまうと、人間の身体にはちょっとずつ無理が蓄積し体調を壊してしまうきっかけとなります。

春の養生法【寒さ対策】

陽気が増す一方で、春一番とも言われるように春の風には勢いがあり東洋医学では「風邪」を受けやすい季節でもあります。

風邪が体の中に侵入すると頭痛、肩こり、首こりなどの原因になります。

風は足首や手首などの”首”がつくところから入りやすいので、4月いっぱいまでは手袋をはいたり、足首が隠れるような靴下を履くようにしましょう。

春の養生法 【1番重要なこと】


体に不自然なものは取り入れないようにすること。

春は肝臓のデトックス作用が高まるので、体の中を綺麗しようと言う働きが高まります。
そんな時に、春の働きとは反する体にとって不自然なものをとり入れ続けると様々な不調が出てきます。

逆に、体に自然なものを取り入れると春特有の上記の症状が治りやすいのも春の特権です。

春に最も多いアレルギー症状でお困りの方へアドバイス

春のアレルギーには、生玉ねぎがおすすめです。
辛味があるまま食べると胃が悪くなるので
必ず辛味抜きをしてから、生サラダにして食べましょう。

1日1玉目安に食べると、アレルギー特有の鼻水や目の痒みなどが落ち着いてきます。

最後に。

春は陽気が増し、活動の幅も増えわくわくする反面、元々体調が優れない方には苦しい季節でもあります。

しっかりと対策をして、春という季節を楽しみましょう。

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